アロマ・オイルマッサージ専用に最適な防水シートの条件
アロマトリートメントやオイルマッサージでは、施術時に使用するオイルの量や粘度が高く、防水シートに求められる条件も自然と高くなります。防水性はもちろん、オイルの染み込みに対する耐油性、滑りにくさ、吸水層の有無、さらにはお客様の肌に触れる素材の快適性が重要視されます。
まず前提として、オイルマッサージでの施術環境は、他のエステ施術に比べてシートが直接影響を与える範囲が広いため、選定ミスが満足度低下や施術トラブルに繋がりやすいのが特徴です。以下は、オイルマッサージ専用の防水シートを選ぶ際に注目すべき主な条件です。
- 耐油性
- 滑り止め加工
- 吸水層と防水層の二層構造
- 柔らかく静音性のある肌触り
- 使い捨てまたはメンテナンス性の高さ
これらを満たすシートの代表格が「不織布+ポリエチレンラミネート構造」です。上層は柔らかい不織布で快適な肌触りを実現し、下層は防水ポリエチレンでオイルの漏れをしっかりブロックします。また、一部の製品では吸水性を高めるために「セルロースパルプ層」を加えることで、シート全体が汗や余分なオイルを適度に吸収し、より快適な体感を実現します。
素材ごとの比較表
シート素材構成
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耐油性
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防水性
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滑りにくさ
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快適性
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推奨使用頻度
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不織布+PEラミネート
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◎
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◎
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○
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◎
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使い捨て
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不織布+吸水パルプ+PE
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◎
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◎
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◎
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◎
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使い捨て
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ナイロン+ポリウレタン加工
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○
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◎
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◎
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△
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繰り返し使用
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ビニールレザー
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◎
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◎
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◎
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△
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繰り返し使用
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また、滑り止め効果についても見落とせません。施術中に体位を変える際、シートがずれてしまうと施術者の動作が制限されたり、顧客が不快に感じる可能性があります。そのため、裏面に滑り止め加工が施された製品や、ベッドにフィットするラップ形状の製品が好まれます。
快適性という観点では、「肌への接触感」が非常に重要です。シートが硬かったり、通気性がなかったりすると、汗をかいた際に不快感を与えます。特に長時間のトリートメントでは、柔らかく、通気性のある素材でなければ施術満足度を下げるリスクがあります。
さらに近年では、サステナブルな視点から「植物由来素材配合の防水シート」や「再生不織布製のエコ対応型製品」も登場しています。これらはエコ意識の高いサロンに特に支持されており、ブランドイメージの向上にもつながっています。
フェイシャル・脱毛用の適正シートサイズと加工素材のポイント
フェイシャルや脱毛施術では、オイルマッサージとは異なり、肌への接触面積が狭く、施術中の体勢も比較的安定しているため、防水シートに求められる機能は異なります。とはいえ、施術中に使用されるジェルやローション、時にはスチームなどによって水分が発生することもあるため、ベッド保護や衛生管理の観点から、適切な防水シート選定は欠かせません。
特に重要なのが「サイズ」と「素材の風合い」「加工機能」の3つです。
まずサイズに関しては、全身施術に比べて必要な範囲は狭いものの、「施術台全体を覆えるタイプ」と「頭部だけを保護するポイントタイプ」に分かれています。以下に一般的なサイズ別の用途例を示します。
シートサイズと用途の関係表
シートサイズ(cm)
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適した施術内容
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備考
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80×180〜200
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フェイシャル・全身脱毛
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ベッド全体を覆える汎用サイズ
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50×70
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部分脱毛・デコルテ
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枕元や胸部下の部分使用に最適
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30×45
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顔専用・ヘッドスパ
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顔のみ覆えるポイントパーツ
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次に、素材についてですが、フェイシャルでは「柔らかく静音性の高い不織布」や「吸水性に優れたパルプ配合素材」が好まれます。施術中に顔の下に敷かれるシートの肌触りがゴワゴワしていたり、カサカサ音がする素材ではリラックス効果が損なわれてしまいます。また、脱毛施術では毛が落ちやすいため、滑らず処理しやすい「帯電防止加工済みシート」が選ばれることもあります。
加工素材の注目ポイントは以下の通りです。
- 通気性と防水性のバランス
- 滑り止め加工の有無
- 静音性(施術中の摩擦音低減)
- アルコール対応・消毒可能か(再利用型の場合)
- 呼吸穴付きの設計(フェイスホール用)
特にフェイスホール付きベッドを使用しているサロンでは、呼吸穴がシートにも加工されているタイプが便利です。既製品でも「中心穴あき仕様」や「カット可能ライン付き」の製品があり、利用者の呼吸を妨げず、快適な体勢を維持できます。